数学モデルによるLandの2色法のRed/Cyan投影法への展開
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概要
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霊長類以外の哺乳類の多くは2色覚である.人の視覚も2色から3色型へと進化を辿っている.色を識別するためには最小限2色センサが必要とされ,2原色は色覚の原点といえる.1950年代半ば,Edwin Landは偶然にも,RedとGreenのモノクロ分解像をそれぞれ,赤フィルタ光とフィルタなしの白色光で投影してスクリーンに重ねると,色彩画像が知覚される現象を見出した.この現象はLandの2色法として知られ,今なお完全には解明されていないが,人の色知覚の背後にある謎を解き明かすべく基礎研究を刺激して来た.本論文では新たな2色法を提案する.LandのRed/White光投影とは異なり,Red/Greenの分解像を補色系のRed/Cyan光投影によって,Landの弱点である赤系統の色再現性を改善しグレイバランスが良好な画像を再現する.初めに2色からの3色推定問題を論じ,次に,Wiener推定法を基に,2色-3色システムを2色-2色システムに簡略化する.この簡略化システムは,R/C 2色のみの重ね合わせによりカラフルな画像を再現するもので,簡便な軽印刷やカラーコピー,ディスプレィへの応用が期待できる.
- 2014-01-01