広帯域地震観測網(GLISN)によるグリーンランド氷床モニタリング
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概要
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グリーンランド氷床は地球規模の気候変動に伴って融解が進行している.近年,氷床融解の過程で末端部の氷河が移動する際に,「氷河地震」と呼ばれる地震動が発生することが知られるようになり,地震観測による氷床モニタリングに関心が集まっている.2009 年に発足した「グリーンランド氷床の地震モニタリング観測網(GLISN)」は,氷床モニタリングを目的として国際共同でグリーンランドや周辺の島々に広帯域地震計を展開するプロジェクトである.日本はGLISN 発足時からの参加国として,2011 年から観測隊を派遣しており,米国と共同で氷床上に観測点1 点を新設したほか,他の観測点のメンテナンスにも従事している.これらの観測点から得られた長周期地震波形データは,全球地震波伝播モデリングによる理論波形との比較でチェックを行い,設置場所によるノイズの影響が少ない,良質なデータであることを確認した.
- 2014-03-31
著者
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金尾 政紀
情報・システム研究機構国立極地研究所
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東野 陽子
京大理学部
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Childs Dean
IRIS PASSCAL Instrument Center, New Mexico Tech 100 East Road, Socorro, New Mexico 87801.
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竹中 博士
岡山大学大学院自然科学研究科地球生命物質科学専攻
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豊国 源知
東北大学大学院理学研究科地震・噴火予知研究観測センター
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東野 陽子
海洋研究開発機構
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姫野 哲人
成蹊大学理工学部情報科学科
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坪井 誠司
海洋研究開発機構
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Anderson Kent
Incorporated Research Institutions for Seismology (IRIS), 1200 New York Ave., NW, Suite 400, Washington, D.C. 20005.
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