高齢者の利他的行動場面における世代間相互作用の実験的検討(ライフサイクル(2):青少年・高齢者の適応支援,コミュニケーションの心理及び一般)
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概要
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本研究の目的は、高齢者が若者に対して利他的な行動をとる場面において、若者からの反応が高齢者の心理的発達および行動に、どのように影響するのかを実験的に調べることであった。高齢者の心理的発達としては、Eriksonが第VII段階の発達課題とした「世代性(Generativity)」という概念に着目した。利他的行動としては、「高齢者が過去の経験とそこから得た知恵について教える」という行動を採用した。高齢者18名(平均年齢67.00±8.89歳)を対象に、相手の反応(ポジティブ・ニュートラル)×相手の世代(若者・同世代の高齢者)を操作した実験を行った。その結果、相手が若者である場合にのみ相手からの反応の影響が認められ、若者がポジティブに反応した場合は高齢者の世代性が向上し、若者への利他的行動が生起する一方、ネガティブに反応した場合は高齢者の世代性が低下することが明らかとなった。本研究により、これまで調査研究によって提唱されてきた、若い世代からの反応や態度が高齢者の世代性に与える影響の大きさを、実験的に検証することができた。
- 2013-01-17
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