小学校5, 6年生の語彙知識 : 音声,意味,文字の結びつきに関して
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概要
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本稿の研究目的は,小学校5, 6年生における英語の受容的語彙知識を調査することである。「音声と意味」,「音声と文字」,「文字と意味」の各つながりの強さには差があるのか,また「カタカナ英語」とその他の「英単語」の知識には差があるのかを調査することを研究課題とし,小学校5,6年生144名を対象に,3種類のテストを実施した。調査する目標語は,すべて『英語ノート』1及び2から選択し,20語をカタカナ英語,残り20語を英単語とした。テスト1は,音声を聞いて対応する絵もしくは写真を選ぶテスト,テスト2は音声を聞いて対応する綴りを選ぶテスト,テスト3は綴りを見て対応する絵または写真を選ぶテストである。結果としてわかったことは,「音声と意味」のつながりが他よりも強く,「音声と文字」と「文字と意味」のつながりの強さには差がなかったことである。ただし文字に関する知識もかなりあることが明らかになった。またすべてのつながりにおいて,「カタカナ英語」の知識が「英単語」の知識を上回った。結果から示唆されることは,外国語活動の音声中心の方針は維持しながらも,文字指導についてもっと積極的に考えていくべきであること,「カタカナ英語」の知識を指導に生かしていくべきである,ということである。
- 小学校英語教育学会の論文
- 2012-03-20
著者
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町田 なほみ
神田外語大学言語科学研究センター非常勤 : 神奈川大学経営学部非常勤
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長田 恵理
神田外語大学児童英語教育研究センター
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高梨 庸雄
弘前大学
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笠原 究
北海道教育大学
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吉澤 小百合
星薬科大学
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町田 なほみ
神田外語大学
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