擬似時計技術の概要と成果(<特集>準天頂衛星初号機「みちびき」 第8回)
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概要
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準天頂衛星初号機「みちびき」を使い2種類の擬似時計実験を実施した.擬似時計技術は搭載側に水晶発振器を置き,地上から遠隔でこれを制御することにより,あたかも原子時計が搭載されているかのようにする技術であり,搭載原子時計を模擬する.この技術により搭載時計の小型化・長寿命化が期待される.なお,「みちびき」にはルビジウム原子時計2基が搭載されている.実験1では地上局の基準時刻の情報を含む擬似時計制御信号を地上局から送信し,搭載水晶発振器を制御する.この場合の同期誤差は最大±35nsであった.実験2では情報通信研究機構が実施する搭載水晶発振器と地上の基準時刻の差の計測結果から水晶発振器を制御するための制御電圧を地上で計算し,地上局からコマンドとして送信する.同期誤差は±0.2nsであった.いずれも搭載原子時計を用いた場合と比較して同等かそれ以上の測位結果を得ることができた.
- 2014-01-05