自傷行為尺度作成の試みとその検討
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概要
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本研究の目的は,自傷行為が行われる傾向を測定する尺度を作成し,今後の疫学的研究に資することである.これまでの自傷行為尺度は,行動的要因の項目のみで構成されており,自傷行為者特有の心理社会的要因についての質問は含まれていなかった.さらにその項目は,自傷行為に関して直接的に表現されており,尺度の精度や倫理的側面に疑問が残る.そこで本研究では,行動的要因における損傷度の高い自傷行為の表現を避け,間接的な表現にし,さらに心理社会的要因からの項目を含めることで,自傷行為者の特性を全体的にとらえ,精度の高い尺度を作成した.大学生209人を対象に質問紙調査を試行した.探索的因子分析,および確認的因子分析の結果,「抑圧状態」「自責思考」「承認欲求」「親子葛藤」の4因子20項目が最も適合した.次に構成概念的妥当性を確認するために54人の学生を対象に調査を実施し,また,基準関連妥当性を確認するために13人の自傷行為者を対象に調査を実施した結果,いずれも妥当性があると認められた.この尺度の使用によって,被験者が回答する際の心理的な負担を軽減することができ,項目からの,バイアスを回避し,精度の高い調査を行うことが可能である.
- 2013-12-01
著者
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