電力制約下における蓄電池を用いたHPCシステムの性能向上
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概要
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HPC システムの大規模化に伴い,電力供給系,冷却系の建設コストの増大,運用コストの増大が深刻になっている.こうしたコストを削減する目的で,電力供給系をオーバープロビジョニングすることで電力供給系の使用効率を高める設計手法が提案されている.このような設計手法を用いるためには,運用時に計算機資源に電力制約を課す電力管理手法が必要となる.しかし,従来の電力管理手法を適用した場合,性能低下が大きく問題があった.そこで本論文では,蓄電池を用いて時間方向に電力を融通し,電力制約下における性能向上を実現するパワーシフティング手法を提案する.提案手法では,停電時のために設置されている UPS (無停電電源装置) 内の蓄電池と周波数制御を併用し,電力を投入しても性能が上がりにくいフェーズから,電力を投入することで性能が大きく上がるフェーズへ電力を融通することで高い性能を達成する.評価の結果,提案手法を用いることで,従来の周波数制御を用いた電力制約制御手法に対して,CPU アプリケーションで平均 4.5%,GPU アプリケーションで平均 17.1%の性能向上が実現できることを示した.
- 2014-02-24
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