児童における抑うつの認知モデルの検討
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概要
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抑うつの認知モデルによると、抑うつに関連する認知的要因は、(1)スキーマ、(2)推論の誤り、(3)自動思考、といった複数のレベルの認知変数から構成される一連の過程であるとされている。しかしながら、児童において抑うつの認知モデルの妥当性を検討した研究は、これまでにほとんど報告されていない。本研究の目的は、児童の抑うつに関連する認知的過程を説明する認知モデルを構築し、その妥当性を検討することであった。9〜12歳の児童664名を対象に、ストレッサー、スキーマ、推論の誤り、自動思考、および抑うつを測定する尺度を用いた調査を実施し、抑うつの認知理論に基づくモデルの妥当性を検討した。その結果、成人とほぼ同様の認知モデルが児童にもあてはまることが示された。すなわち、非機能的なスキーマは推論の誤りを導き、推論の誤りは自動思考に影響を及ぼし、自動思考は抑うつに影響していることが示唆された。
- 一般社団法人日本認知・行動療法学会の論文
- 2008-09-30
著者
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