熟練者判断を取り入れたソフトウェア開発工数見積りモデル
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概要
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プロジェクトの失敗を避けるためにはプロジェクト管理が重要であり,工数見積りはその基礎となるものである.数学的モデルに基づく工数見積りでは,開発するソフトウェアの規模と生産性要因を説明変数として工数を見積もる.ただし,定性的または定量的に測定されていなければ,生産性要因を説明変数とすることはできない.そこでそれらの要因を説明変数とする代わりに,プロジェクトマネージャが定性的,定量的に計測されていない情報に基づき,生産性のレベルを粗い粒度(「高」,「低」など)で推測し,これを説明変数とすることを提案する.ただし,生産性レベルの推測には誤りが含まれる可能性がある.たとえば,ある見積り対象プロジェクトの生産性レベルが,実績値では「低」となるにもかかわらず,見積り時に「高」と誤推測する可能性がある.そこで,誤推測を前提とした,生産性レベルのモデルへの与え方を提案する.評価実験において,推測の誤りの程度を変化させ,提案方法の工数見積り精度への影響を確かめた結果,提案方法は生産性レベルの誤推測に対してロバストであり,多くの場合,従来の見積り方法よりも高い精度となることが分かった.
- 2014-02-15
著者
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