冗長性を利用した航空機・宇宙往還機の耐故障制御 : 制御工学の観点からの信頼性・安全性の向上(<特集>航空・宇宙システムの安全性,信頼性)
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概要
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航空機や宇宙往還機の操縦系統の故障は,最悪の場合墜落事故に発展する可能性が高い.そのため,航空機や宇宙輸送システムに対する信頼性・安全性への要求は地上の機械システムに比べて格段に厳しいものがある.操縦システムに関しては,約40年前に操縦系統を旧来のメカニカル方式からFBW方式へ移行する技術革新がなされた結果,現代制御理論を飛行制御に取り入れることが可能になってきた.近年このFBW(fly by wire)技術を前提に,操縦系統の冗長性を積極的に利用することで,一部の舵面やアクチュエータの故障に対して耐性のある飛行制御システムが盛んに研究されている.本解説では,初めに操縦系統の多重化について解説した後,各種の制御舵面の効果と制御経路の冗長性について図解する.最後にアクチュエータ故障が生じても制御機能が維持できる制御分配技術について具体例を紹介する.
- 2013-08-01