部分的区間打ち切りデータにおける二標本検定法の比較と評価に関する研究
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概要
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背景と目的:臨床試験において区間打ち切りデータに対する2標本検定を行う場合,初めてイベントが観察された時点(発生区間の右端)をイベント発生時点として補完し,log-rank検定などを適用する方法が一般的に使用されているが,他に提案されている2標本検定の方法との性能比較や,特性の検討などはほとんどされていない.そこで本研究では,一点代入(左端/ 中点/ 右端)による方法と,2種類の方法(Panの方法,Zhaoらの方法)の性能と性質を比較し,それぞれの特徴について検討を行う.研究デザインと方法:現実の臨床試験の状況に則した様々なシナリオを想定したシミュレーションを実施し,各検定法の性能と性質を検出力およびサイズを指標として比較,考察した.結果と考察:最後に観察された時点を右側打ち切りの発生時点とみなす通常の状況の下で,左端代入が最も安定した方法であることが示唆された.また右側打切りが多い状況では,特に右端代入法は誤った結論を導く可能性があることが示された.Zhaoらの方法を実際の臨床試験に適用するためには,さらなる性能調査が必要であることも示唆された.
- 国立保健医療科学院の論文