Bi系高温超伝導ウィスカー育成における触媒補充効果
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概要
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Bi系高温超伝導ウィスカーはBi系高温超伝導体の中でも高い臨界電流密度を持つため,その実用化が期待されている.しかしながら,実用化に必要なサイズとなるまで多大な時間を要する.そこで本研究ではBi系高温超伝導ウィスカーの育成方法であるASGQP (Al_2O_3-Seeded Glassy Quenched Platelets)法の改良を行った.具体的には,ASGQP法においてAl_2O_3触媒を母材であるガラス急冷体内部にも補充し,成長効率の改善を図った.このガラス急冷体内部への触媒補充に着目したBi系高温超伝導ウィスカーの育成方法をAIR-GQP (Al_2O_3-Internal Replenished Glassy Quenched Platelets)法と名付けた.そしてAIR-GQP法を用いてBi系高温超伝導ウィスカーの育成を行った.その結果,Bi系高温超伝導ウィスカーの育成にはガラス急冷体表面だけでなく,内部のAl_2O_3触媒も利用されていることが分かった.また,ガラス急冷体内部にAl_2O_3触媒を補充しない方法と比べ,Bi系高温超伝導ウィスカーの育成時間が約45%短縮されることが分かった.このように,ガラス急冷体内部へAl_2O_3触媒を補充することで,Bi系高温超電導ウィスカーの成長効率が改善されることが明らかとなった.
- 2013-07-31