九州南東岸沖における黒潮小蛇行と中規模渦
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概要
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九州南東岸沖において黒潮が蛇行する現象が知られており,黒潮小蛇行と呼ばれている。これまでに,多くの研究が,黒潮小蛇行の発生に対して中規模渦の影響を指摘している。そこで,本研究ではwinding-angle methodを用いて中規模渦の位置を推定し,黒潮小蛇行の発生と中規模渦との関係を調べた。初めに,黒潮流軸の位置情報から黒潮小蛇行の発生状況を調べ,時空間スケールが比較的大きい黒潮小蛇行が,1993年から2006年の間に16回発生していることを示した。次に,黒潮再循環域における中規模渦の追跡結果から,九州南東岸の南の領域に強い高気圧性渦が存在していた時,あるいは東の領域に強い低気圧性渦が存在していた時に,時空間スケールの比較的大きい黒潮小蛇行が発生しやすいことが分かった。即ち,黒潮小蛇行の発達には,九州南東岸沖に接する中規模渦の位置が重要であることが明らかとなった。また,台湾東岸沖に接近する勢力の強い中規模渦が黒潮小蛇行の発生要因の一つであることも示唆された。さらに,御前崎沖において,黒潮が32°N以南に位置している期間には,黒潮小蛇行が発達しないことが明らかとなった。
- 2013-07-15
著者
-
清水 学
水産総合研究センター中央水産研究所
-
久保田 雅久
東海大学海洋学部
-
瀬藤 聡
水産総合研究センター中央水産研究所
-
久保田 雅久
東海大学 海洋学部 海洋工学科
-
久保田 雅久
東海大学海洋学部地球環境工学科
-
安倍 大介
水産総合研究センター中央水産研究所
-
日原 勉
東海大学大学院地球環境科学研究科
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