-20℃で8年間保存したスギ種子の発芽に対するジベレリンの影響
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概要
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スギの効果的な休眠打破を検討するため,-20℃に設定した冷凍庫に8年間保存したスギ5系統の自然交雑種子を用いて,ジベレリン(GA)による発芽促進効果を調査した。GAの濃度や浸漬時間等を異にした計8処理を施したところ,発芽率には系統間,処理間で有意差が認められた。今回の試験では,保存前の発芽率が極端に低い系統も用いたため,系統間差が検出されたと考えられた。一方,処理間の差についてはGAの影響が明らかであり,濃度の高いGA溶液に浸漬した処理では発芽がほとんど認められなかった。また,GA水溶液の濃度と浸漬時間の積で定義したGA投与量と発芽率の関係を検討すると,両者には高い負の相関関係が認められた。これらのことから,スギの長期保存種子に対するGAの休眠打破効果は認められず,逆に発芽を阻害する要因になることが明らかとなった。
- 2013-03-31
著者
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生方 正俊
森林総合研究所林木育種センター遺伝資源部
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栗田 祐子
森林総合研究所林木育種センター
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宮下 智弘
森林総合研究所林木育種センター
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宮下 智弘
森林総合研究所林木育種センター:(現)山形県森林研究研修センター
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生方 正俊
森林総合研究所林木育種センター
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