ナメコ(Pholiota nameko)子実体の発生不良原因 : 1996年空調栽培現場より収集した菌株について
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概要
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1996年福島県下の同一種菌を用いた空調ナメコ栽培において,子実体収量の低下がみられた。培養培地または子実体から分離した3菌株について,栽培特性および菌叢と核相を調べ収量低下の原因を検討した。分離した1菌株は,対照株に比べ初回子実体収穫時期が10日遅延し,総収量が29%低下した。また,各培養ビンの子実体発生時期と発生量の同調性が喪失した。この菌株を6枚のPDA平面培地に植え継いだところ,4枚の平面培地で脱二核化し,気中菌糸が極めて少ない扁平な菌叢に変化した。他の2菌株については,子実体収穫時期の遅延と収量の低下は認められず,各培養ビンの子実体発生時期と発生量が同調した。しかし,これらの菌株をPDA平面培地に植え継いだところ,扁平な菌叢が部分的に出現した。以上のことから,今回の子実体収量の低下は,扁平な菌叢の出現と脱二核化に起因すると考えられた。
- 1998-02-25
著者
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