ダイヤモンドチップを用いた超音波によるう蝕除去方法の評価とDIAGNOdentとVistacam Pによる2つの蛍光う蝕診断の評価
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概要
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目的:本研究では,超音波振動器に曲腕のチップを装備した場合の手指感覚によるう蝕象牙質削除精度を,う蝕染色液(Caries Check)による染色を指標にスティールバーによって削除した場合と比較検討した.方法としてう蝕象牙質除去後の象牙質窩壁の硬さ,および励起光としてレーザー光を使用するDIAGNOdentとLED光を使用するVistacam Pの2種類の蛍光う蝕診断法を用いて,う蝕象牙質除去後の象牙質窩壁からの蛍光を計測することによって評価した.方法:象牙質う蝕のあるヒト抜去歯20本をう蝕の中心を通る歯の長軸方向に切断し,この断面上で歯髄腔からう蝕部に向かって200μmごとに象牙質のマイクロビッカース硬さ(MVH)を測定した.1つのグループでは,超音波装置を使用してう蝕象牙質を経験的な手指感覚によって削除し,他方では,Caries Checkを併用し,歯科用低速回転切削バーによってう蝕象牙質を削除した.切削後,象牙質窩壁面のMVHを確認するとともに,窩壁面からの蛍光をD値(DIAGNOdent)およびVistacam P値(Vistacam P)を測定して比較検討した.結果:Vistacam P値では2グループ間に有意差が認められなかった(p>0.05)が,MVHおよびD値では有意差が認められた(p<0.05).結論:超音波振動装置に取り付けたダイヤモンドチップによるう蝕除去法は,残存象牙質のMVH,D値の結果から,う蝕象牙質の過剰切削が危惧されるため,Caries Checkによる指標を伴いながら削除することが推奨される.また,Vistacam Pによる残存象牙質の歯質の細やかな区分は困難であることがわかった.
- 2013-02-28
著者
-
楠 みづほ
昭和大学歯学部 齲蝕・歯内治療学講座
-
長谷川 篤司
昭大・歯・保存修復
-
長谷川 篤司
昭和大学歯学部歯学教育研修センター
-
楠 みづほ
昭和大学歯学部歯科保存学講座美容歯科学部門:山王病院歯科診療室
-
及川 美早
昭和大学歯学部歯科保存学講座美容歯科学部門
-
伊藤 和雄
山王病院歯科診療室
-
北原 信也
昭和大学歯学部歯科保存学講座歯科理工学部門
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