看護系大学生の健康度・生活習慣と自己調整学習方略の関係の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
背景 健康を維持するには,日々の生活習慣が大きく影響するが,青年期は体力を過信するあまり,日常生活が乱れやすい.青年期にある大学生の日常生活と健康状態に関する研究はこれまでにも行われているが,大学生の生活習慣と学習能力とはあまり検討されていない.目的 本研究の目的は,看護系大学生の健康度および生活習慣と自己調整学習方略との関連性を明らかにする.対象ならびに分析方法 調査期間は,2011年7月中旬〜 12月で,A大学看護学部1年生を対象とした.徳永(2005)が開発した「健康度・生活習慣診断検査(以下;DIHAL.2と略す」と藤田(2010)の開発した「自己調整学習方略尺度」に基本属性に関する質問項目を加え,自己記入式質問紙調査を実施した.前号の論文では,DIHAL.2を用いて健康度と生活習慣の実態を報告している.今回は前号の結果を踏まえ,学生の自己調整学習方略尺度の結果との関連を分散分析とBonferroniの多重比較検定を用いて解析した.結果・考察 DIHAL.2に基づいて分類した健康度・生活パターンの間で自己調整学習方略得点を比較した.その結果,「充実型」と「要注意型」との間で,自己調整学習方略に有意差を認めた.「要注意型」では,プランニング方略の得点が他の3つの方略の得点より有意に低く,「生活習慣要注意型」と「健康度要注意型」の両者では,プランニング方略の得点が努力調整方略との得点より有意に低かった.「充実型」では,各方略間に有意な差はみられず,すべて高得点であった.結論 健康度・生活習慣が充実している人は,自己調整学習のどの方略も他の健康度・生活習慣判定タイプより高い数値を示していたことは,バランスが取れた自己学習能力があると評価できた.一方で「要注意型」タイプは,プランニング方略を中心とした学習方法が他の学習方略よりも低かった.
- 2013-04-00
著者
関連論文
- 座談会 理想の看護を実現するための足がかり 副看護部長に求められる役割とは (FEATURE 看護師長と看護部長、副看護部長のいい関係)
- 精神看護学実習における学生が体験したゆらぎへのサポート
- 時間を管理する 交代制勤務と労働時間をどうマネジメントするか--スタッフに健康で安全に働いてもらうために (特集 行動する看護師長--これからの臨床看護マネジメントの実践)
- インタビュー 経営学を看護の現場で活かす--餅田敬司氏に聞く (特集 看護現場に経営学的視点を)
- 看護婦の情動判断能力に関する実験的研究 : 看護場面において感情状態を判断する伝達シグナルの検討
- シンポジウム 精神看護学の展開をどう考えるか
- 看護部長から新人ナースへ,新人ナースから看護部長へ(12)滋賀医科大学医学部附属病院
- 目標管理に関する研究 : BSC手法を用いて
- E大学病院における看護必要度と超過勤務時間の関係
- DPC導入による業務量増加に伴う看護職員の職務満足度の推移
- Part 1 座談会 研修会づくりの悩み・失敗・改善 (特集 KAIZEN! 院内安全研修会)
- 職務満足度調査から人材育成のあり方を模索する--看護管理者の視点から
- 滋賀医科大学医学部附属病院 自己分析から事故対策を学ぶ--ヒューマンエラーの視点 (特集 新人職員への安全教育) -- (院内新人教育・研修の実際)
- 調査資料とローレンツ面積 : アンケート・データを検定するために
- 看護師調査から看護価値を論ずる : 看護管理者の視点から
- 業務支援ロボットの開発--臨床現場の声を活かして (医療サービス最前線--職場の合理化と人材開発(その1))
- 導入から人員配置での活用へのプロセスと今後の課題 (特集 看護必要度を看護管理に活用する--手厚い看護をより効果的に提供するために)
- Guidance 真のインフォームド・コンセントを求めて (特集 患者参加型看護過程のすすめ)
- 看護系大学生の健康度・生活習慣と自己調整学習方略の関係の検討
- 新設看護学部における看護実践能力育成のための看護技術項目の検討
- 看護学部学生における導入教育の評価 : A大学における調査結果の検討
- 看護系大学生の健康度と生活習慣の実態
- 近江療養院における結核患者の療養空間