現実味のある布地表面の要素
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概要
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写実的な CG の制作は高コストであり,低コスト化が制作の課題となっている.筆者らは写実的ではなく,人間が現実的だと感じることを重視し,現実味のある CG 制作で低コスト化を目指す.本報告では,身近にあり,AR アプリケーションの対象になりやすい織物の布地に注目し,現実味の要素を明らかにして,テクスチャ生成に応用する.まず,布地の質感を表現する専門家である写真家と DTP オペレーターに聞き取り調査を実施し,現実味の要素を絞る.この調査により,コントラストと表面のテクスチャ,ドレープが現実味に貢献すると仮定した.これを確かめるために,一対比較での知覚実験を行った.結果,テクスチャが現実味に寄与する要素であることが明らかになった.次に現実味を持つテクスチャの要素を探る.ぼかしをかけた織物テクスチャで恒常法による知覚実験を行い,texton の知見と組み合わせることで,動径基底関数状の要素と輪郭がぼけた長い要素が現実味の織物の要素であることが明らかになった.また,周期性が確認できたため,要素を周期的に配置することで,現実味のある織物テクスチャを生成できると仮定した.生成したテクスチャで知覚実験を実施し,現実味のある織物として知覚されることを示された.
- 2013-06-17