サービス・リカバリー場面での公正と感情 : 先行研究の検討と今後の展望
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概要
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サービス・リカバリーに関する研究においては、リカバリーが顧客満足や顧客ロイヤルティなどに与える影響を、消費者の意思決定プロセスに焦点を当てる中で解明が試みられてきた。その分析手法をみると、公正感を中心的な構成概念として用いた理論を構築し、データによって仮説を検証する方法が支配的となっている。公正感については、分配的公正、手続き的公正、相互作用的公正という3 次元の公正感を用いられることが多い。最近の研究では、公正感に感情を加えることによってモデルを拡張する動きがみられる。そこでは、公正感がポジティブあるいはネガティブな感情を生み出し、感情が態度や行動に影響を与えるというモデルが代表的なものとなっている。しかし、公正感と感情に関する理論の発展は続いており、サービス・リカバリー研究に適用できる新たな知見も少なくない。たとえば、(1)より細分化された公正感、(2)総合的公正概念、(3)経験を重視した公正概念などをモデルに取り込むことによって、研究を発展させることができると考えられる。
- 2012-00-00