介護福祉士養成における家政系教育 : 全国養成校教員調査にみる現状と課題
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概要
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介護福祉土養成における家政系教育は,高齢者や障害者の在宅生活支援能力の養成を目標としているが,その教育効果に対する評価は低く,教育のあり方を再検討することが迫られている.本研究では,全国の養成校における家政系教育の現状を,担当教員を対象とする調査から明らかにし,なぜ効果をあげ得ないのかを探るとともに,家政系教育の教育効果を向上させるための課題を明らかにした.その結果,家政系教員の過半は非常勤教員であること,実習現場の経験に乏しく,他教科との連携程度も低いことが明らかになり,現場のニーズを授業に反映させにくい教育環境にあることがわかった.加えて,介護の視点に立つ家政学の再編が進んでいないため,教員は教育内容を手探りで構築せざるを得ない状況にあり,これらの要因が相互に関連しながら家政系教育の効果を妨げていることが確かめられた.問題状況の打開に向けて,介護家政学の確立および,教育環境の整備が課題であり,具体的方策についての提言を行った.
- 日本介護福祉学会の論文
- 2003-10-01
著者
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中川 英子
宇都宮短期大学
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嶋崎 東子
お茶の水女子大学博士課程
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嶋崎 東子
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科
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奥田 都子
静岡県立大学短期大学部
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熊本 裕子
お茶の水女子大学生活科学部
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倉田 あゆ子
日本女子大学家政学部
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倉田 あゆ子
日本女子大学家政学部家政経済学科
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石川 周子
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科
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石川 周子
お茶の水女子大学人間文化研究科
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