地域における健康づくり支援環境の評価に関する研究 : 評価指標の開発ならびに全国の実態

概要

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地域住民の健康づくりに,住民を取り巻く支援環境的アプローチの重要性が注目されている。本研究では,まず健康づくり支援環境として,重要で,実現可能性のある項目を評価指標として作成した。そして,作成した評価指標を用いて全国市区町村を対象とした調査を行うことにより,健康づくりに取り組む地域が整備すべき諸条件を明らかにすることを目的とした。国内外の文献研究と国内専門家を対象とした修正デルファイ法により,身体活動・運動(21分野下位45項目),喫煙(18分野下位43項目),休養・心の健康(7分野下位17項目),アルコール(9分野下位25項目),栄養・食事(18分野下位46項目),組織としての健康づくり(6分野)の計6領域それぞれについて,支援環境として政策と規則,情報・教育,物理的環境,住民の健康行動の把握の面から評価する評価指標を作成し,全国3,241の市町村(東京23区を含む)の保健担当部署を対象とした郵送調査を行った。有効回答率は31.4%,分析有効数は1,016であった。最も多く実施されていたのは栄養・食事領域で,次いで身体活動・運動領域であり,少なかったのはアルコール,喫煙領域であった。各領域について,情報・教育面での支援環境の整備が十分ではないことが示された。人口規模別の比較では全ての領域において人口規模が大きくなるほど各領域別分野別の平均実施割合が有意に高くなっていた。健康日本21地方計画策定済みあるいは策定中と回答した市区町村では,人口規模に関わらず全領域の平均実施割合が高かった。各領域で住民の健康行動の把握を行っている地域は行っていない地域に比べて平均実施割合が有意に高く,これは全ての領域についてみられた。市区町村レベルでの支援環境対策はその必要性の認識にかかわらず普及しておらず,各自治体において重要な課題であると考えられた。本研究により,今後整備すべき政策的・環境的諸条件と課題が示された。
2010-07-31

地域における健康づくり支援環境の評価に関する研究 : 評価指標の開発ならびに全国の実態

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