高齢者のための足踏みを用いた全身持久力の間接的測定方法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
段差を用いず、狭い場所でも簡易に実施できる高齢者のための全身持久力測定方法として、足踏み時の心拍数(HR)や血圧を評価指標として用いることを発案した。研究目的は、年齢64.8±2.4歳の健康な女性5名を対象に、120ピッチの足踏みを6分間行い、その際の酸素摂取量(VO2)、HR、収縮期血圧(SBP)の推移を明らかにすることと、自転車エルゴメータを用いてATから求めた全身持久力と足踏みに必要なHR、SBPの関係について検討することである。足踏みによるHR、SBPの定常状態は足踏み開始後5分目までに現れた。VO2の定常状態が現れたのはBとCの2名だけで、定常状態のVO2は、被験者Bが13.8ml/kg/min、Cが15.1ml/kg/minであった。AT時のVO2は13.2±3.9ml/kg/minであった。ATから求めた全身持久力と足踏み時のHRとの相関関係は強い負の関係(r=-0.85)で、SBPと弱い負の関係(r=-0.50)が示された。以上より、足踏みを5分以上実施することで、全身持久力を推定できる可能性が示された。今後は、本研究の被験者よりも幅広い全身持久力をもつと思われる地域住民を対象に適用するための検討として、地域居住の高齢者を対象に足踏みを行い、適切な足踏みのピッチや必要な運動負荷時間、全身持久力との関係を明らかにする。
- 大分県立看護科学大学の論文
- 2006-12-00
著者
-
高波 利恵
産業医科大学産業保健学部看護学科産業・地域看護学講座
-
高波 利恵
Oita University of Nursing and Health Sciences
-
片瀬 由加里
Oita University of Nursing and Health Sciences
-
草間 朋子
Oita University of Nursing and Health Sciences
関連論文
- 基本健診で実施可能な全身持久力測定方法の検討--足踏みの際の心拍数・収縮期血圧を利用して
- 看護教育研究 放射線診療および放射線被ばくの防護に関する看護師の知識・認識の実態
- あなたの活動を研究につなげよう!事例で学ぶ研究の仕方・論文の書き方--テーマ設定から学会発表まで(第4回)結果の表し方--図表作成の効果的な提示と文章化
- 看護教育研究 看護系大学新卒時に求められる保健師の基礎技術の検討--行政保健師を対象とした調査から
- 基本健康診査受診者を対象にした高齢者の体力の実態とそれに基づく評価基準の提案
- 介護予防運動「お元気しゃんしゃん体操」の効果
- 高齢者のための足踏みを用いた全身持久力の間接的測定方法
- 66.看護学方法論II(応用)演習における学生の学び : クリティークと論文作成を通じて(第31回産業医科大学学会総会学術講演・展示抄録集)