イネのソース能の遺伝解析に向けた評価方法の創意・工夫(第40回 近畿作物・育種研究会 公開シンポジウム 明日のための農学研究)
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概要
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イネの収量はシンク,ソース,転流の3要素によって制御されている.ゲノム研究の進展により,複雑な農業形質を支配する遺伝要因の解明が進みつつあり,シンクに関しては籾数,籾サイズを決定するQTL遺伝子が複数同定されている.一方,ソース能についてはシンクに比べて遺伝研究が遅れているのが現状である.その理由の1つとして,籾数や籾サイズは「カウンター(計数器)」「ものさし」「量り」といった簡易な道具で数値化・定量化できるのに対して,ソース能を簡易に精度良く数値化・定量化することの困難さが考えられる.著者はイネのソース能の遺伝研究を進めるに当たり,ソース能,特に光合成能を如何に評価するか,新たな「ものさし」の確立に向けて創意,工夫,検討を行ってきた.本総説では,現在演者が遺伝解析に使用している「ものさし」のいくつにかついて留意点も含めて紹介し,今後のソース能研究発展のための端緒となればと考えている.
- 2012-00-00