新規開発生体モニタリングシステムM-BITを用いた福島県内作業者の健康管理への介入に関する研究
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概要
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平成23年3月11日の東日本大震災後,福島県では原発事故による放射性物質の放出が問題となり,その放射性物質による被ばく対策の一つとして,作業員の体表面汚染に備えたタイベックスーツ(以下タイベック)の着用がなされた.しかし,夏期にはタイベック着用作業者や一時立ち入りの住民において熱中症が多く発生し,放射線のみならず熱中症も問題となった.さらに,タイベック着用といった特殊環境下における作業負荷も問題の一つであったと考えられる.我々はこれまでに,心電図,皮膚温度,体位といった生体情報を同時に測定することができる新しい生体モニタリングシステム・M-BITを開発してきた1).M-BITでは,専用ソフトを用いた心電図のRR間隔の心拍変動解析により,自律神経機能の評価,及び交感神経・副交感神経活動の分別定量化が可能である.これまで,心拍変動解析を用いた作業負荷に関する研究は少なく2,3),福島県内の特殊環境下での作業負荷に関する調査は行われていないが,復興作業者の充分な健康管理や,特殊作業環境下におかれている作業者の安全・安心を担保するには,生体情報のモニタリングを行うことが必要であると考える.本研究では,福島県の住民の一時立ち入り事業に従事する医療従事者の心電図,皮膚温度などをM-BITを用いて解析し,その作業負荷を調査すると共に,M-BITが作業者の健康管理に有用であるかどうかを検討した.
- 2012-09-25
著者
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片山 宗哲
(株)医療電子科学研究所
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高村 昇
長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科
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吉田 浩二
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科原研国際
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東郷 道太
セルフケア総合研究所
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中島 香菜美
長崎大学病院看護部
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