XYZK4色センサによる測色的分光画像推定モデル
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概要
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分光画像は様々な照明環境での忠実な色再現に活用されている.一般的に高精度の分光カメラは高価なため,低次元からの分光推定法を用いた6〜16チャネルのマルチバンドカメラが使用されてきている.しかしながら,マルチバンドフィルターの分光感度は,理論的というよりも多分に経験的に設計され,必ずしも測色的色再現を保証していない.一方,視覚系は基本的に3色性でありメタメリズムに基づいて色を知覚する.マトリクスR理論によれば,任意の分光スペクトルCは基本分光成分(Fundamental)C^*とメタメリックブラック(Metameric Black) Bに分解され,視覚系にはこのうち,基本分光成分C^*のみが可視成分として知覚され,メタメリックブラックBは不可視成分としてバイパスされる.しかし異種光源下での分光再現には両成分がともに必要である.本論文は,測色的なXYZフィルタにブラックフィルタKを加えた,新規な分光測色的XYZK 4バンドセンサモデルを提案する.基本のXYZチャネルは測色的色再現に用いられる3色カメラと互換性を持つ.一方,第4のフィルタKは,XYZのみでは検出できないメタメリックブラック成分を救済するために付加されている.本論文では,マトリクスR理論に基づくフィルタKの分光設計思想を明確に論じるとともに,XYZKモデルを教師ありまたは教師なしの分光推定法に適用した場合に,測色的色再現を保証しつつ,いかに効果的に動作するかを示す.また異種光源下での分光画像再現のシミュレーション例を紹介する.
- 2012-09-01
著者
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