科学映画「雪の結晶(1951)」が記録していた人工雪実験の画像解析II : 扇状結晶及び樹枝状結晶の成長
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概要
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樹枝状結晶主枝の中央稜線模様は結晶軸(a軸)の1つに平行な直線である.このことは樹枝状結晶が扇状結晶と同様に柱面の層成長により生じることを意味するが,樹枝状成長の特徴は主枝先端部分の両柱面上にほぼ一定間隔で次々と現れるマクロステップのエッジ部分の移動が稜線模様群を作ることであり,稜線模様群中の一部のものの一対ずつの先端部分が目立って成長し側枝となる.扇状結晶や樹枝状結晶の板状部分の裏面の凹凸を表す稜線模様と畝模様は,発生直後には濃淡が明瞭になるよう変化するが,模様上に発生する基底面の発達に伴って次第に消える傾向がある.扇状結晶の柱面上に付着凍結する雲粒が結晶の成長に及ぼす影響には,柱面が層成長していることを証明するものがある.一方,側枝や稜線模様の先端部分への雲粒の付着凍結の場合には,側枝の発生と成長を促進する影響を与えることも側枝の成長を妨げる影響を与えることもある.また,扇状結晶の基底面など平坦な部分に付着凍結する雲粒は,付着直後はほぼ球形を保ったまま成長する.
- 2012-06-30
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