長時間積分における誤差とその抑制法
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概要
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Hamilton 系を数値積分するとき,解そのものの精度だけでなく,理論上一定である第一積分の値も精度よく保存されていることが望ましい.シンプレクティック解法はほぼこの条件を満たしている.しかし,シンプレクティック Runge-Kutta 法の場合,長時間積分においては各種誤差の累積のため,Hamiltonian の値が時刻 t に比例して増大していくことが報告されている.一方,シンプレクティックな線形多段解法では,この誤差は t1/2 という RungeKutta 法よりは緩やかな速さで増大する (Brouwer's law) ため,長時間積分においては RungeKutta 法より有利である.本研究報告では,RungeKutta 法に部分的に 3 倍精度演算を組込み,Hamiltonian の誤差の増大を t1/2 に比例した速さで増大する方法を提案する.
- 2012-05-25
著者
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