森林計画における伐採齢平均・分散の計算方法に関する考察
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概要
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本論では,伐採齢平均・分散を計算する際に1:伐採面積,2:伐採面積率,3a:標本減反率,3b:C方式による減反率,3c:最尤法による減反率を重みとする方法を取り上げ,それら平均・分散を,森林計画における標準伐期齢の決定,および減反率による伐採予測で参照する場合に,将来的に見込まれる伐採量の違いや観測値,目標値との比較によって評価した。一括表示齢級を含む1990年および1995年の全国人工林データを例として,伐採齢平均・分散を計算した結果,1, 2, 3aの方法は一括表示齢級の影響で平均・分散とも過小に計算され,3b, 3cのそれらより小さな値となった。また各方法による計画伐採量と森林・林業基本計画の目標伐採量を比較した結果,標準伐期齢の決定の際に参照する伐採齢平均は,両者の差が最も小さい3cの方法で計算することが有効と考えられた。さらに齢級別伐採面積の再現性,および近い将来の伐採予測の精度を高めるには,3cの方法で減反率分布を推定することが有効と考えられた。
- 2006-12-31
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