ヨハネ福音書5:19-30における救済思想
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概要
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論文(Article)物語批評の立場から、ヨハネ福音書5:19-30に見られる救済思想を考察した。福音書本文の文学的な効果として、第一に接続詞ガルの多用による神の性質への着目がある。また動詞の人称の使い方では、人称の変化によるイエスの語りの性質の変化、またモノローグにおける二人称の後続部分への着目を引き出す効果が注目される。さらにこの部分では命を、裁きを超越したもの、また死を超えたものとして提示している。命のテーマは3章から11章にかけて展開しており、5章は死者の復活を暗示しつつ、永遠の命を生きるために必要なものを示して行くための出発点である。5章は、読者に死者の復活という救いの予兆を示し、それに対する期待を高める効果をもっている。This article deals with the soteriology shown in John 5:19-30 through the perspective of narrative criticism. The text has several literary effects: 1) frequent use of the conjunction "gar" makes readers pay attention to words that describe the nature of God; 2) changes in the grammatical person of verbs relate to the nature of Jesus' speech, and the second person in the monologues of Jesus direct the reader's attention to the words that follow; and 3) here the Gospel shows the (eternal) life that transcends judges or death. Chapter 5 is the starting point for showing the requirements of eternal life, implying the resurrection of the dead. John 5 shows readers the resurrection of the dead as a foretaste of salvation, and heightens their anticipation of it.
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