愛媛県八幡浜における緑色片岩に由来する残積性土壌中の粘土鉱物
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概要
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愛媛県八幡浜市近郊の傾斜地帯には,長瀞変成帯に属する緑色片岩に由来する残積性土壌が分布している。この土壌の粘土鉱物の風化・生成についての知見を得る目的で,土壌試料を層位別(B, C, R層)に採取し,各粒径画分ごとに鉱物組成をX緑回折分析,化学分析によって調べた。(1)母岩となる緑色片岩は,不規則レンズ状に珪質岩を挾育する白雲母-セラドナイト,角閃石を主体とする片石と,これを斜めに貫入する斜長石を主体とする珪質脈岩からなる。片岩は剥理性が強く斧刃状に割れ,剥理に沿った部分は黄褐色にバーミキュライト化している。(2)C層(20〜80cm)は黄色(2.5Y 6/4)を呈し,礫をかなり含む。細砂,シルト部分はバーミキュライト,角閃石,長石を主体とし,ごく少量のdi亜群雲母鉱物,石英を含む。粘上部分は細土の15%を占め,上記鉱物のほか,かなりの量のメタハロイサイトが認められる。(3)B層(5・20cm)は明褐色(7.5 YR 5/6),粘土音量31%とC潮に比べてかなり風化が進んでいる。細砂およびシルト部分の鉱物組成は層と類似しているが,粘土部分でぱバーミキュライト,メタハロイサイトのほかX線回折図上で24.5, 12.1, 8.2, 6.1, 4.87, 4.05, 3.48Åに一連の回折線をもつ,バーミキュライト/クロライト1:1規則混層鉱物と思われる鉱物が認められた。(4)この緑色片岩(白雲母角閃石片岩)の土壌風化過程とし,造岩鉱物からのMg, Kの放出・溶脱,Feの酸化集積,Si溶脱による,白雲母→バーミキュライト→バーミキュライト/クロライト混層鉱物,角閃石→バーミキュライト,長石→メタハロイサイト,のモデルを想定した。
- 1977-12-30
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