ロボット発話の冗長性制御による指示物体認識性能向上への寄与
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概要
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本稿では,人間がロボットに対して環境中の物体を繰り返し指示するような状況において,その人間が指示した物体を認識する際の認識性能がロボットの発話の冗長性を制御することにより向上することを示す.人間とロボットの物体指示対話において,(1)人間はロボットが確認発話で使用する言葉と同じ言葉を指示発話で使用する傾向がある,(2)ロボットが冗長性のある確認発話を行うと人間は冗長性のない指示発話を行う傾向がある,という知見がある.これらの知見は,ロボットが物体の識別に関係ない情報を含む冗長な発話を行うと,人間は不要な情報で構成され,かつ冗長性もない指示発話を行うようになり,指示物体認識性能の低下を招く可能性があることを示唆している.本研究では,ロボットが指示物体の識別に必要な最小の情報で構成される冗長性のない確認発話を行う場合と,指示物体の識別に利用可能なすべての情報で構成される冗長性のある確認発話を行う場合で,指示物体認識性能が変化するかどうか検証した.その結果,指示物体の認識成功率は,冗長性のない確認発話を行う場合で75.6%,冗長性のある確認発話を行う場合で54.7%であり,この差は有意であった.つまり,ロボットが発話の冗長性を制御することで,指示物体認識性能が変化することが示された.
- 2012-04-15
著者
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萩田 紀博
(株) 国際電気通信基礎技術研究所知能ロボティクス研究所
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萩田 紀博
エイ・ティ・アール知能ロボティクス研究所
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萩田 紀博
Ntt基礎研究所
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萩田 紀博
Atr知能ロボティクス研究所
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篠沢 一彦
(株)国際電気通信基礎技術研究所
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篠沢 一彦
Nttコミュニケーション科学基礎研究所
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篠沢 一彦
株式会社国際電気通信基礎技術研究所
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下原 勝憲
国際電気通信基礎技術研究所
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飯尾 尊優
同志社大学大学院工学研究科|ATR知能ロボティクス研究所
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塩見 昌裕
ATR知能ロボティクス研究所
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下原 勝憲
同志社大学
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下原 勝憲
Atrネットワーク情報学研究所:京都大学情報学研究科
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篠沢 一彦
Atr知能ロボティクス研
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萩田 紀博
東京女子医科大学ireiims:atr知能ロボティクス研究所
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萩田 紀博
Nttコミュニケーション科学基礎研究所
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下原 勝憲
Ntt コミュニケーション科学基礎研究所
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下原 勝憲
同志社大学大学院工学研究科情報工学専攻
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篠沢 一彦
(株)ATR知能ロボティクス研究所
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下原 勝憲
Nttヒューマンインタフェース研究所/atr人間情報通信研究所
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下原 勝憲
Atr人間情報通信研究所:nttコミュニケーション科学基礎研究所
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下原 勝憲
Ntt:atr
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飯尾 尊優
ATR知能ロボティクス研究所
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萩田 紀博
奈良先端科学技術大学院大学(naist):国際電気通信基礎技術研究所(atr)
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萩田 紀博
(株)国際電気通信基礎技術研究所知能ロボティクス研究所
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