グローバル化する国際理解教育をどう行うか : 小学校国語を例として
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概要
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本稿は、急速なグローバル経済の進行に伴い、数多くの問題を抱える現在の国際社会において、グローバル教育のトランスナショナルな考え方を受け入れつつ国際理解教育の新たな可能性を、初等教育、特に小学校国語において探ろうとするものである。 まず、学習指導要領の「国際理解教育の方針」に含まれた問題点を指摘し、「伝統・文化」の概念を新しく規定し直し、自国に対する客観的、批判的理性を養うことを国際理解教育の重要な条件の一つに据えた。次に、現在の国際理解教育の実際を踏まえ、小学校国語においてどのような国際理解教育が有効であるかの試案を示し、自己の行為や営為を「多くの中の一つ」と位置付けることが「共生」のための必要な条件であることを述べた。 以上を通じ、トランスナショナルの考え方を標榜しつつ、他の視点を取り込むことで自己を批判的に捉える再帰的教育の方向性を追究した。
著者
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