四川大震災における「国家」と「社会」の役割とその変容
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概要
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論説(Article)2008年5月12日、中国四川省はほぼ全域にわたって死者69,227人、行方不明17,923人を出す大規模な地震に見舞われた。しかし、被災者数は多かったものの、幸いにも、国の総力を挙げた救援活動もあって、被災地では、流浪する難民、飢餓の蔓延、疫病の流行、暴動や騒乱等はほとんど見られず、中国地震災害史上のまれに見る“成功例"だと言えよう。そして、震災の3年間後、基本的な復興目標が達成されたのである。しかし、課題も残された。その1つは、中国における四川大震災のような大規模な自然災害における危機管理のあり方である。それは、一党執政による中国の政治体制において、果たして「国家」のみの力で万全の危機管理を行うことができたのか、仮に「社会」の側からの救援活動と復興作業への参画がなかったら、今回のような成果を上げ得たのか、という論点でもある。そこで、本論では、まず中国国内での四川大震災に対する危機管理体制に関する主たる論点を整理して、新たな分析の視点を提出する。その際、四川大震災以前の中国における「国家・社会関係」の変容につき、簡潔に言及する。次に、四川大震災を「地震発生直後の段階」、「震災緊急救援の段階」および「減災と復興の段階」という3つの段階に分け、各段階において「国家」と「社会」が果たしたそれぞれの役割とその変容を考察する。最後に、これまでの論述を要約し、今後の中国の災害支援や復興事業における危機管理体制ないしガバナンスの課題について論究する。
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