ニットの自重が着用丈に及ぼす影響
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概要
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ニットは自重の影響を受けて着用丈や衿ぐりが変形し、シルエットが予想と異なることがあり、パターンメーキングの際に、着用時の伸長特性を考慮する必要がある。本研究では、ニットの自重による伸びを定量的に捉え、自重による伸びを推定する手法を提案することを目的とした。矩形布による自重伸長において、ウェール方向の試長の2 乗と伸びの間に比例関係が成立し、見掛けのヤング率と平面重から推定伸長を求める式を得た。ワンピースをボディーに着装した場合のウェール方向の部位別伸長は、上部から下部に行くに従って減少していき、自重が大きくかかる上部ほど伸び変形は大きい。バスト部では、その突出が布をおし拡げる力として作用するため大きな伸び率になることがわかった。着用丈の自重による伸び変形では、肩線中央、乳頭点、肩甲上部後突点を通る垂直線で大きな伸びになり、伸びの理論式との対応から、実際の伸びの推定式を得た。衿ぐりの前中心と後ろ中心、及び袖ぐり下線の下がり寸法を、肩線中央及び肩甲上部後突点を通る垂直線の伸びから推定する式を得た。これらの推定式は、裾線と衿ぐりおよび袖ぐりの変形をパターン上にあらかじめ修正しておく方法として提案した。