A病院における飛び込み分娩の実態と産婦・家族支援の検討

概要

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目的:飛び込み分娩の実態を明らかにし,緊急対応や産婦・家族支援の方向性を見出す。方法:平成18年4月〜平成20年3月までにA病院1施設で飛び込み分娩となった9名を対象とし,診療録および地域関係機関への質問紙調査よりデータを収集分析した。結果:年齢は17〜37歳,初産6名,経産3名,入院時未婚は7名であった。未受診の理由として,初産婦は未婚,経産婦は貧窮,多忙,健診不要をあげていた。分娩時にすべての感染症の有無が判明していた事例はなかった。分娩様式は,経腟分娩6名(うち1名は自宅で分娩後に受診),帝王切開3名であった。膀帯動脈血分析が可能であった8名のうち,2名がpH7.20未満であり,6名の児がNICU入院を必要とした。また,母親は児に対する愛着が乏しい傾向があった。地域関係機関よりすべての事例の退院後の状況について回答があり,家庭訪問が実施され(1〜35回),育児や生活全般への援助が行われていた。考察:飛び込み分娩は社会的,医学的にハイリスクであるだけでなく,児に関する愛着形成が乏しく,入院中および退院後の継続的な看護の重要性が示唆された。