徳之島における稲作と関連伝統芸能の復活の取り組み
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概要
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研究活動報告(Research and Activity Report)鹿児島県徳之島は筆者が生まれ育った自然の豊かな地域である。近年この島の地域社会の有り様の変化が著しい。基幹産業である農業の機械化がすすみ、「ゆいわく」(相互共助の精神で行う共同作業)の機会の減少と、それに伴う住民同士のつながりの希薄化が問題になってきつつある。地域の伝統行事はそのつながりを保有していた数少ない住民の集まる場であった。そんな中で過疎化や少子高齢化などの影響により地域の誇りである伝統行事の維持が難しくなってきた。本研究の活動として、集落民が集まる場となっていた稲作起源の伝統行事「むちたぼれ」に焦点をあて、根源である稲作と稲作にまつわる伝統芸能の復活を行った。活動の成果として、子どもたちがお米への関心を持つことができた事や、伝統行事の意味だけではなく食育としての効力も得ることができた事が挙げられる。また、ゆいわくを実践することで、高齢者がイキイキと活躍する姿も見られ、一人ひとりが輝ける、一人ひとりが役割を持った集落になれるのではないかという期待感が高まった。本活動報告では稲作を通して、伝統行事や伝統芸能の存在を人々に周知させることによってその存在意義を示し、それらの必要性を訴えていく活動内容を記述した。
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