SR78 第78研究部会 ディーゼル機関潤滑油の化学洗滌方式の自動化の研究 昭和43年度
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ディーゼル機関のシステム潤滑油の浄化方法として,最近,従来から行なわれてきた静置沈殿,ろ過,遠心分離などの方法だけでは十分な清浄効果が得られないため,化学薬品を使用した化学的な処理を併用することが多くなった。しかしその作業には非常な労力と時間を必要とし,また強アルカリ性薬品を使用するため取扱上の危険もあって乗組員に多大の負担がかけられている。この実用上の欠点を改善するため,ここではこの化学洗浄方式の自動化の研究を行なった。内容は基礎調査,基礎試験,模型装置の試作と実験および検出装置の試作と実験からなっており,概要は次のとおりである。(1)化学処理方法の現状を調査検討し,数種の代表的な方法を選び,実船から採集した種々な汚染劣化度の潤滑油についてビーカーテストによる処理比較試験を行ない,それぞれの処理効果,得失を求めた。その結果,いずれの化学処理方法も,従来の浄化方法に比べて清浄効果はすぐれ,従来の方法との併用により清浄効果を著しく高めることができるが,潤滑油の汚染劣化の状態により洗浄剤添加量の増減が必要であり,作用効果は必ずしも一定ではない。化学処理を行なうには,潤滑油の汚染劣化が著しく進行しない内に行なった方が得策で,処理温度80℃程度,洗浄剤添加量17%程度で行なうのが良い。(2)基礎試験の結果をもとにして,処理容量750lのバッチ式の自動潤滑油化学洗浄模型装置を試作し処理試験を行ない,化学処理の自動化は容易に可能であることを確かめた。(3)化学処理など浄化を自動化するについては,潤滑油の汚染劣化状態の検出あるいは処理効果の判定も自動的に行なうことが望ましいので,検出対象として潤滑油の全酸価と水分を選び,自動計測方法について検討し,前者については,一定量の試薬を投入混合した時のpHの測定による方法の潤滑油劣化度検出装置を,後者については,潤滑油の電気絶縁抵抗の測定による方法の潤滑油水分検出装置を試作し,実用に供しうる目安を得ることができた。
論文 | ランダム
- ハワイとミニバン
- 国語教育の科学化 : 言語教育を中心に
- うらじろがし(Quercus stenophylla Makino)の薬理学的研究
- 柴胡の薬理学的研究
- 蟋蟀の解熱有効成分に関する研究 第3報 Grypyrin の薬理学的研究