シリコン酸化膜の不均一な熱分解
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概要
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Si(100)基板上に形成された20nm膜厚のシリコン熱酸化膜を,真空中1100℃で加熱し,これにより生ずる酸化膜の熱分解反応を,X線光電子分光(XPS),走査型オージェ電子顕微鏡(SAM),原子間力顕微鏡(AFM)で調べた.加熱時間に対するXPSのSi 2p内殻準位強度変化を調べ,酸化膜のボイド形成による説離モデルにより解析した.ボイド面積が加熱時間の2乗に比例すると考えて実験結果をよく再現し,これまでの研究結果と合致する結果となった.SAMによりボイドの形状を調べた結果,角の丸まった正方形をしており,またボイド内には微細な構造が形成されていることがわかった.これらの観測は,シリコン酸化膜の熱分解反応素過程を反映した結果であると考えられる.
- 2011-08-03