HLA-B27陽性急性前部ぶどう膜炎とベーチェット病の臨床像の違い

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目的:HLA-B27陽性急性前部ぶどう膜炎(human leucocyte antigen - B27 - associated acute anterior uveitis 以下HLA-B27 - AAU)とベーチェット病(以下BD)の前部ぶどう膜炎の臨床像のちがいについてretrospective studyにて調査した。,対象および方法:2003年4月から2005年3月までに当院を通院していたHLA-B27 - AAUの16例20眼と、BDの43例79眼の前部ぶどう膜炎を対象とした。検討項目として炎症がピークに達するまでの日数、炎症持続日数、虹彩後癒着の頻度と範囲、前房畜膿の頻度について検討し、2群間の検定についてはMann-Whitney-U検定を用い、p値=0.05未満を有意と判定した。,結果:前部ぶどう膜炎を発症してから炎症がピークに達するまでの日数は、HLA-B27 - AAUは8.3±4.0日、BDは2.2±1.6日であり、また炎症持続日数はHLA-B27 - AAUは25.8±7.7日、BDは18.0±8.4日で、炎症がピークに達するまでの日数及び炎症持続日数は、BDよりもHLA-B27 - AAUの方が長かった。虹彩後癒着の頻度は、HLA-B27 - AAUが40.9%とBDの1.7%に比べ高頻度に虹彩後癒着をきたし、虹彩後癒着の範囲は、HLA-B27 - AAUが216±31度とBDの54±20度と比べ広範囲であった。前房畜膿の頻度はHLA-B27 - AAU 29.5%とBD5.2%に比べ頻度が高かった。,結論:HLA-B27 - AAUは、BDの前部ぶどう膜炎と比較して炎症のピークに達するまでの日数が長く、消炎するまでにも長期にかかること、虹彩後癒着や前房畜膿の頻度が高く、虹彩後癒着の範囲も広いことから、炎症が完成するまでに時間はかかるが、炎症そのものはより重篤な所見であることがわかった。HLA-B27 - AAUの発作時には、特に初期に炎症が軽度であっても1週間以内は炎症が徐々に強くなることが考えられ、頻回に通院し、前房畜膿や虹彩後癒着の発症に留意し注意深い経過観察及び加療が必要であると考えられた。
2012-01-31

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