ヘテロジニアスマルチコアを統合管理するオペレーティングシステム構成法の検討

概要

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ヘテロジニアスマルチコアアーキテクチャにはプロセッサ性能向上をクロック周波数を抑えながら実現することができるという特徴があり,処理性能の高さと低電力消費を同時に要求される組み込みシステムにおいても研究開発が進んでいる.また,組み込みシステムはその利用領域によって高い信頼性が求められることがあり,従来の C 言語中心ではなく,現代的なオブジェクト指向言語を取り入れた開発手法の検討が必要である.以上の背景を踏まえ,本研究では,ヘテロジニアスマルチコアアーキテクチャの効率的な管理を目的として,Java で実装した OS と,それが動作する新たなシステムモデルを提案する.そして,その実現に向けた課題の発見や知見を得るために,Java 仮想マシンで動作する OS である Nachos 5.0j のヘテロジニアス化を行った.結果として,ARM アーキテクチャと MIPS アーキテクチャのヘテロジニアスマルチコアアーキテクチャ環境を管理するオペレーティングシステムをシミュレータ上で動作させることができた.本稿では,そのモデルの提案と実装について述べる.
2012-02-21