生体音源波形の主成分分析による声質の制御とパラメータ化(<特集>音声学と音声工学)
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概要
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本論文では,最初に,音声コミュニケーションの声質制御について,音声学および音声工学におけるこれまでの研究を紹介する。さまざまな声質を表現する声帯音源波形の定量的モデルの構築を目指し,Laverが提案した声質の記述的な枠組(1980)を振り返り,発声様式の音響分析に関する研究のこれまでの発展について概観する。次に,これら従来の研究を踏まえ,声門体積速度微分波形のモデル化に関する全体論的なアプローチを提案する。幾つかの発声様式を表現するLaverの音声データ(1980)を用い,それぞれの発声の声帯音源波形の1周期について,主成分分析を応用した予備的評価を報告する。最上の4主成分は全データの分散の9割を占め,定性的にも解釈可能である。これら抽出された主成分を,分析/変換/合成の枠組みにおける制御パラメータとして用い,発話データの声質変換を試みた。
- 2003-12-30