病院に勤務する助産師のキャリア開発に対するニードとその関連要因
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概要
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わが国では助産師のキャリア開発に対するニードは明らかになっておらず, また組織におけるキャリア開発の支援のあり方も系統だっていないことが課題になっている. そこで, 病院に勤務する助産師のキャリア開発に対するニードと関連要因を明らかにし, 必要な組織の支援を検討するために, 全国の産科を有する282の病院に勤務する助産師及び看護師を対象に調査を行った. その結果, 助産師が目指すキャリアの方向性は『仕事と私生活の両立』が最も多く, 次いで『特定領域の専門技術』であり, 看護師とは目指す方向性に違いがあった. また, 助産師は看護師に比べ研修プログラムがある割合が有意に低かった(p<0.0001). キャリアの目標達成状況では, 助産師と看護師に有意な差はなく, 達成できない理由について「時間がない」が最も多かった. しかし, 助産師では「教育研修プログラムがない」, 「キャリアのコースがない」という理由が看護師に比較し有意に高く, 具体的なキャリア・プランを描きにくいことが推察された. また, 助産師の目標達成状況に影響を与える要因を検討した結果, 年齢, 研修プログラム, 継続意識は正の関連があり, 配偶者は負の関連があった.今後, 助産師が組織の中で個人のキャリアを開発していくには, 助産師の専門性を反映した教育研修プログラムが必要であること, また個人のニードに応じた組織の支援体制のあり方や目標達成の要因については, さらに検討していくことの必要性が示唆された.
著者
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佐々木 真紀子
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻基礎看護学講座
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猿田 了子
日本赤十字秋田看護大学
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佐々木 真紀子
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻 基礎看護学講座
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佐々木 真紀子
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻
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