精神科病院で患者の自殺に遭遇した看護師に生じる反応とそのプロセス
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概要
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精神科病院で患者の自殺に遭遇した看護師に生じる反応とそのプロセスを明らかにすることを目的に,10名の看護師に半構造的面接を行った.看護師の反応は,【精神的衝撃】【感情麻痺】【自責感】【孤立感】など14の感情・思考に関連した反応や,【不眠】など4つの身体に関連した反応が抽出された.また,【自殺理由を意味づける】【気持ちを言語化する】【看護について再考する】といった反応が【自殺予防活動に取り組む】といった行動に結びつく一方で,【精神科病棟・病院から離れる】【考えないようにする】などといった12の行動に関連した反応が抽出された.さらに,対象者らがたどったプロセスは,(1)サポートを受けながら立ち直っていく,(2)時に身を任せて気持ちが落ち着くのを待つ,(4)自責感と孤立感が自殺予防活動への取り組みに変化していく,(6)精神看護の特性を再認識し,自殺を予防するために向かっていく,(7)患者の自殺理由を自分の中で意味づけしていく,といった精神的衝撃が緩和された様相を示したプロセスと,(3)自分が原因ではないと割り切りつつ自殺の怖さが潜行し続ける,(5)精神的衝撃や自責感が長く持続している,といった精神的衝撃が持続し,直面化を回避する傾向にある様相を示したプロセスに大別できた.
- 2010-06-30
著者
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