環境保全政策の実践を通したコミュニティの再構築 : バングラデシュにおける村の代表性をめぐる交渉を事例として
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では,コミュニティを基盤とした環境保全プロジェクトの実践を通して,地域住民が生産資源をめぐって政治的に競合し,同時にコミュニティのあり方を構築していくプロセスを描き出す。本稿の事例として取り上げるバングラデシュでは,他のアジア・アフリカ諸国同様に,1990年代以来コミュニティ・ベースの環境資源管理政策が進められている。しかし,この政策モデルでは,コミュニティを構成するアクターの同質性や協働性を前提としているにもかかわらず,その実態としての村落社会のアクターは生活形態や利害において多様で,政治的に競合しているのが現実だ。複数の地域有力者を中心に,村人はパトロン-クライアント関係で結ばれており,それを基盤として地域の生産資源をめぐって政治的に競合しているのである。本研究では,コミュニティを組織化する活動が政治化する中で,政策モデルとしてのコミュニティについての理解を深め,地域社会の文脈においてコミュニティを構築しようとする試みを描き出す。地域社会における既存の関係性の再生産ではなく,新たなコミュニティのあり方を提起する事例を描き出すことで,本稿ではコミュニティ・ベースの環境保全政策の実践における人々の政治的可能性を提示する。
- 2008-11-15
論文 | ランダム
- 精神薄弱児の類型に関する一考察
- Hereditary Orotic Aciduria Heterozygotes Accompanied with Neurological Symptoms
- A Compact and High Efficient Electron Beam Accelerator
- 東洋建設(株)美浦研究所
- Noncardiogenic Pulmonary Edema as the Chief Manifestation of a Pheochromocytoma : A Case Report of MEN 2A with Pedigree Analysis of the RET Proto-Oncogene