ジャワ島での人力丸太運材の作業能率と作業負担 : 運搬に影響する諸因子について
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概要
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チーク材(Tectona grandis L.f.)の人力運材時の作業能率と作業負担の現状を調査し,運搬に影響する因子を把握し,作業負担の改善につながる可能性を検討した。調査はインドネシアの東ジャワの貯木場で,2002年に2名の作業者について行った。変数は,1997年の調査を参考にして,運搬距離(3種類):D1(<10m), D2(10-20m), D3(20m<)と丸太の寸法(3種類): L1(1人で1本運搬: 直径15cm,重量35kg), L2(2人で1本運搬:直径30cm,重量95kg), L3(8人で1本運搬:直径60cm,重量450kg)を組み合わせて調査した。作業能率の結果は平均,D1:0.593, D2:0.212, D3:0.121(m^3/m/hr/man)であった。作業能率では運搬距離と運搬時間が比例した。そして,運搬距離と作業能率は反比例で,運搬時間と作業能率も同じであった。丸太の寸法は作業能率に影響があったが,丸太の寸法と作業能率の間には特定の関係がなかった。運搬時のエネルギー消費量(EETr),エネルギー代謝率(RMR)と1日の作業時のエネルギー消費量(EEWT)から作業負担の分析を行った。作業負担の結果は: EETr(L1:0.0797, L2: 0.0711, L3:0.0707 (kcal/kg/min), RMR(L1:3.2, L2:2.7, L3:2.7)とEEWT(L1:1356, L2:1216, L3:1222kcal/day)であった。作業負担の場合,丸太の寸法との傾向は見られないが,L1の作業負担はL2より高かった。L2の運材方法をL1に適用すればL1の作業負担と作業能率が良くなると思われる。
- 森林利用学会の論文
- 2003-08-15
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