崩壊斜面からの土砂流出の経時的変動
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概要
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高性能機械化作業が全国的に進められている。機械の導入と作業のため高密度の道路網が開設される。その際,道路沿いに発生する不安定土砂の流出が危惧される。本報では,作業道沿いに発生した崩壊斜面からの土砂流出の動向を10か月にわたって観測した。新生の崩壊斜面からの地表水流出率は,崩壊からの経過時間の長い斜面より高く,プロット面積に反比例した。総降雨量が,総土砂と細粒土砂の流出量と高い相関を示した。降雨に対する土砂流出の難易は,プロットごとに異なった傾向を示した。単位流出水量あたりの土砂流出量は,崩壊発生後2年経過したあともほとんど変化が認められなかった。流出土砂の粒径分布は,母材土壌の粒径及び総土砂量のたかによって異なった。崩壊斜面は時日の経過に応じて,地被率の増加が認められたにもかかわらず,降雨のたびに,変化無く土砂流出が続いていた。斜面と渓流との相対的位置とその間の勾配や林床条件によっては,適当な措置が必要となろう。
- 森林利用学会の論文
- 1998-04-15
著者
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