中国・北京市の歩行者用都市サインに関する基礎調査(建築・環境デザイン)
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概要
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本稿は北京市の中心部における歩行者用都市サインにかかわる問題点を抽出し、これらの課題の解決の方向性を導き出すことを目的とする。本調査では、利用者、特に観光客の行動の起点となる主要な交通拠点である北京駅を起点として、天安門広場を中心とした周辺観光スポットへ移動する路線を調査対象ルートとして選定した。そこに設置されている公共サインの分布特性をとらえるために、公共サインの種類と量を調査し、街路形態別に公共サインの種類と数量を集計し、利用対象別区分と情報内容別区分のクロス集計などの分析を行った。また、公共サインの一つである歩行者用都市サインの分布について調べるため調査ルートを約200m毎に延長方向に19区分し、歩行者用都市サインと各区画毎に変化する環境特性がどのような関係にあるかを分析した。そして、対象ルート上に設置されている歩行者用都市サインと設置状況をチェックシート上に記録し、調査ルート上の持つ問題点から課題の抽出を行った。更に北京市中心部に設置されている歩行者用都市サインの現状を把握する為に、来訪者と北京市民を対象にアンケート調査を実施した。これらの調査および分析結果から、以下の課題を見出した。(1)案内・誘導情報が不足、設置場所によって分布に差がある、(2)車いす使用者や子供に対して考慮していない、(3)適切でない方法での表示、(4)文字が小さくて読みにくい、(5)設置後の管理の不足。これらの課題を解決するためには、公共交通機関の表示と歩行者用都市サインの共用化、車いす使用者や子供への配慮、理解しやすい表示、はっきりとして見えやすい文字と維持管理の効率化の5つの方向性を導き出した。
- 2010-09-30
著者
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