学齢期の職業観形成とテレワークへの影響に関する序論的考察(<特集>教育・人材育成とテレワーク)
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概要
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近年の高齢者の増加と生涯教育意欲の増大を背景に、心理学における発達段階論研究は成人の知覚や自我をいまだ完成体とはみなさない発達観へ転換しつつある。一方で、発達段階論のがつての主要研究課題であった、子供のキャリア意識や職業意識の形成に関する研究は、それらが主に9歳から13歳の時期に行われていることを示しており、テレワークを勤務者が望むか望まないかに関わる問題は、勤務者が学校教育や家庭内教育を通じて学齢期に自己の職業観をどのように形成したかに左右される可能性かおる。そこで筆者は小学生を対象とした在宅型テレワークの意識調査を行うことを企画し、小学3年から6年までの学童に質問紙を配布し、112名からの回答を得た。その1次分析の結果では、会社や役所など一般的には通勤による集団勤務を行う組織への就業を希望する学童のうち、もし在宅テレワークが可能でもいぜん集合勤務を希望すると回答した者の割合が全体の約77%であること、および、学年が上がるにつれその割合が漸増する傾向かおる結果を得た。その後、本研究の深化の過程で質問紙の回答を追加分析したところ、学童が希望する職業を考慮しない場合には、集合勤務を希望する比率が1次分析に比べてより高まること、およびその比率が学年の進行とともに大きく上昇することを見出した。また自由記述回答結果を形態素解析と重要語抽出システムを用いて分析し、前記割合の理由を探索した。本稿ではその結果から、学齢期の教育とテレワーク普及との関係性に関する今後の研究の素描を行った。
- 2011-04-01
著者
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