Javaにおける明示的メモリ管理効率化のための参照無効化手法
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概要
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Java における長時間 GC 発生回数の削減を目的として,明示的メモリ管理手法を提案している.本手法では,従来の世代別 GC と同様に,Tenured 領域内オブジェクトを簡易的にすべて live と見なしている.そのため Tenured 領域から明示管理メモリへ参照がある場合,明示管理メモリ内のオブジェクトが live と見なされ明示管理メモリの使用量が増加する.Tenured 領域内オブジェクトの要否判定は長時間 GC により行われる.しかし,明示的メモリ管理を適用することにより長時間 GC の発生間隔が長期化する.これにより明示的メモリ管理機能を適用すると本来 dead な Tenured 領域内オブジェクトが長期にわたり live と見なされ,そこから参照される明示管理メモリ領域内オブジェクトも長期間 live と見なされ明示管理メモリの使用効率が低下する.そこで本論文では,当該オブジェクトを早期に検出し,参照を無効化する手法を提案する.本手法は Java ヒープを小さなブロックに分割し,低オーバヘッドで Tenured 領域内オブジェクトの要否を判定し,dead なオブジェクトの参照を無効化する GC 手法の一種である.本手法を適用した結果,Major GC 時間の 3% 未満の処理時間で本来 dead な Tenured 領域内オブジェクトの参照を無効化でき,明示管理メモリ領域の使用量を最大で従来の 1/5 に削減できることを確認した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2011-03-16
著者
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小幡 元樹
株式会社日立製作所
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小幡 元樹
(株)日立製作所システム開発研究所
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西山 博泰
株式会社日立製作所システム開発研究所
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足立 昌彦
日立製作所システム開発研究所
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岡田 浩一
日立製作所ソフトウェア事業部
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中島 恵
日立製作所ソフトウェア事業部
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西山 博泰
日立製作所システム開発研究所
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足立 昌彦
株式会社日立製作所システム開発研究所
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岡田 浩一
株式会社日立製作所ソフトウェア事業部
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長瀬 卓真
株式会社日立製作所ソフトウェア事業部
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中島 恵
株式会社日立製作所ソフトウェア事業部
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