上下限付きパス頻度に基づく木状化合物の列挙
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概要
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分子構造の部分情報が与えられたとき,それに基づく化合物の推定問題は生物情報学において重要な課題の一つであり,薬剤設計などの多くの分野に応用することが期待される.本研究では,部分的な分子構造として,長さが与えられた整数K≧0以下である部分パスに関する特徴ベクトルの上限と下限が与えられたときに,この上下限制約を満たす木状の化合物を全て列挙する問題を考える.ここで,特徴ベクトルとは,化合物における原子のパスの出現頻度を表す特徴量である.与えられた特徴ベクトルの上限と下限の間に存在する全ての特徴ベクトル一つ一つに対して,石田ら(2008)による分枝限定法を用いたアルゴリズムを適用すれば,上下限制約を満たす木状の化合物を全て列挙することができる.しかし,上下限制約によっては非常に多くの計算を要することになる.そこでより高速に列挙を行うために,分枝限定法を用いた新しい厳密アルゴリズムを設計する.このアルゴリズムは,分枝操作として中野・宇野(2003)によるラベル付き木の列挙アルゴリズムを用いている.限定操作としては,特徴ベクトルの上限と下限が与えられているため,石田ら(2008)による限定操作をそのまま用いることはできない.そこで,特徴ベクトルの上限と下限に基づく特徴ベクトルによる限定操作,価数による限定操作,及びデタッチメントによる限定操作を提案する.
- 2011-03-03
著者
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